ネット配信 週刊新病院(2026年2月25日(水)006号)

目次
【注目の病院プロジェクト】
〇世界をリードする日本のBNCT、さらなる進化を目指す
〇湘南鎌倉総合病院と藤田医科大学がより深い腫瘍の臨床開始へ

【病院計画ニュース】
〇青森県、統合新病院は27年4月に実施設計・施工一括で公示
〇岩手県、26年度から釜石病院建替え基本設計、29年度着工
〇山形県、西村山新病院の開院支援業務の公募型プロポを開始
〇新小山市民病院、来春オープンへ別館建設中、手術室内装工事を公告
〇湘南大磯病院、建替え事業を延期する見通し
〇川崎学園、附属病院全面建て替えに秋着工、32年12月完成
〇広島県、高度医療・人材育成拠点施工予定者プロポを公告
〇福岡市、新病院基本構想策定支援業務の提案競技開始

【ダイジェストニュース】
〇岩手県、新築設計委託に続き中山の園改修設計委託へ
〇鶴岡市立荘内病院、経営改善支援業務を委託、27年3月31日完了
〇敬愛会、特養ホーム流山みやび新築は大城組
〇朝霞市、看護小規模多機能1事業所の募集開始
〇成田赤十字病院、医療情報システム更新のリース事業を公告
〇三島市、グループホームと看護小多機の法人選定
〇京都府立医大、総合医療情報システム更新の調達・保守を公告
〇兵庫県、26年度から北はりま特別支援分校の改修設計
〇長崎市、地域密着型特養ホーム1施設を募集中
〇沖縄県、広域型特養ホーム計200床の整備法人募集へ

【注目の病院プロジェクト】
〇世界をリードする日本のBNCT、さらなる進化を目指す
〇湘南鎌倉総合病院と藤田医科大学がより深い腫瘍の臨床開始へ
 BNCT(Boron Neutron Capture Therapy:ホウ素中性子捕捉療法)は、ホウ素の同位体である「10B」をDDS(ドラッグデリバリーシステム)により腫瘍細胞内に取り込ませたうえで、体外からエネルギーの低い中性子線を照射すると、中性子を捕捉した10B原子核が核反応を起こし、いずれも粒子線である、放出されたα粒子(ヘリウム原子核)のα線と7Li反跳核(リチウム原子核)が腫瘍細胞を殺すという原理である。α粒子とリチウム原子核の飛程は、腫瘍細胞の1個分に収まる各9μm、4~5μmであるため、正常な細胞をほとんど傷つけることなく、腫瘍細胞のみを細胞レベルで選択的に破壊することが可能である。
 さらに、発生するα線とLi反跳核は、X線やガンマ(γ)線に比べて生物学的効果が2~3倍程度高いとされ、X線やγ線照射ではがん細胞のDNAの1本の鎖しか切断できないため、DNAが修正され、がんが再発する可能性があるが、α線はDNAの鎖を2本とも切断するため、がん細胞はDNAを修復できずに死滅する。
 陽子線や重粒子線を使う通常の粒子線治療は、体外から粒子線を照射し体内の腫瘍を殺傷するのに対し、BNCTは腫瘍細胞1個1個の内部での粒子線による腫瘍細胞の殺傷、細胞レベルでの粒子線治療ともいえる。

❍世界初、BNCT共同医療センターと南東北BNCT研究センターで保険診療開始
 日本では、20年6月1日から関西BNCT共同医療センターおよび南東北BNCT研究センターにおいて、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対するBNCTの世界初となる保険診療が開始された。また、同時に、ステラファーマ㈱が製造販売するホウ素薬剤「ステボロニン(SPM-011)」も同じく世界で初めて保険承認された。いずれも住友重機械工業のシステム、ステラファーマ㈱のホウ素薬剤「SPM-011」を用いている。中性子線を発生させるターゲット材はベリリウム。
 国立がん研究センター中央病院は、リゾートトラスト㈱の連結子会社㈱CICS(東京都江東区)と共同開発した加速器中性子捕捉治療装置「CICS-1」を導入した。ターゲット材にリチウムを用いている。ホウ素薬剤はステラファーマ㈱の「SPM-011」。19年11月から血管肉腫(血管の内皮細胞から発生するがん)および悪性黒色腫の臨床試験を開始し、23年1月から血管肉腫のみを対象とした第2相臨床試験を、さらに、24年9月より、住友重機械工業㈱が開発した[18F]FBPA「MPS200FBPA」合成装置を用いた[18F]FBPA PET(BNCTにおける治療効果予測や線量計算に直結する検査法)を行った上で「CICS-1」、「SPM-011」によるBNCTを行う胸部固形がん(食道がん、非小細胞肺がん、乳がん、悪性軟部肉腫、悪性胸膜中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍)を対象とした第I/II相臨床試験を行っている。
 また、国立がん研究センター中央病院と同じ「CICS-1」を導入した江戸川病院は、23年7月から24年3月に放射線治療後再発乳がんを対象としたBNCTパイロット試験5例を終えるなど、再発乳がんやFDG-PETで陽性となった腫瘍を対象にした臨床研究を行い、25年の夏からBNCTの自由診療を開始した。同病院では、乳がんの場合、乳腺外科と協力し、手術を希望しない患者を対象に2泊3日で治療を行っている。
 筑波大学の熊田准教は、未だに治療法が確保できておらず、5年生存率が10%程度と極めて難治性の悪性脳腫瘍(膠芽腫)の医師主導治験を24年2月から開始した。初発膠芽腫の患者が対象で、12~18人の患者に今回の第Ⅰ相治験(安全性試験)を行い、その後、第Ⅱ相治験(治療の有効性治験)を実施し、効果が認められれば、医療機器の承認を経て保険診療へとつなげる。
 これまでのBNCTは、体表から6cm程度、マックスで8cmまでの深度にある腫瘍を対象に治療を進めているが、(医)徳洲会湘南鎌倉総合病院と(学)藤田学園藤田医科大学は、より深い位置にある腫瘍を対象に臨床研究を進め、BNCTの適用症例を拡大する目標だ。
 なお、徳洲会湘南鎌倉総合病院は、国内6番目の施設を目指し、21年4月にアメリカのNeutron Therapeutics社製のBNCT装置「nuBeam」を設置し、22年10月に中性子線ビームの調整をスタートし、臨床開始を目指して調整を進めてきた。

❍湘南湘南鎌倉総合病院、BNCTを4月開始、国内6施設目の実臨床へ
 (医)徳洲会湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市岡本1370-1、☎0467-46-9947=広報室)は2月19日、次世代のがん医療として注目されているBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)治療を4月に開始すると発表した。3月から患者登録を受け付ける。

導入したBNCT装置

 BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素薬剤を投与後、外部から中性子線を照射し細胞内で核反応を起こすことで、正常細胞への影響を抑えながら、がん細胞内で選択的に細胞障害を生じさせる。原則1回の治療ですみ、通院などによる日常生活への負担の軽減といったメリットがあり、また、手術が難しい患者の治療の選択肢を広げると期待されている。
 同病院のBNCT装置は、実臨床では国内6施設目、世界でも10施設目となるが、 国内初となる機種で、一定の条件下で従来装置と比較した場合、中性子線の出力が約3倍という高出力を誇り、これにより、全身の固形腫瘍を治療対象とすることが可能である。世界ではフィンランドのヘルシンキ大学病院のみが有している機種である。
 さらに、これもまた本邦初となる、BNCT装置にCTを併設しており、これにより、がん組織の形状、深度に応じた高精度な照射が実現できる。

照射のイメージ

中性子発生装置

❍有償の特定臨床研究で治療開始へ、2年間で50症例
 同病院で行う治療は、通常の保険診療ではなく、国の制度に基づく有償の特定臨床研究として実施するもので、現在、保険適用となっている「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」だけでなく、多くのがん種の治療を行い、BNCTの安全性・有効性を検証し、将来の保険適用の拡大につなげ、より多くの患者を救う目標である。治療は、2年間で50症例を目安としている。
 同病院(☎0467-46-9916=BNCTサポートデスク)は、対象となる患者として「画像検査により、がんにホウ素薬剤が集まりやすいことが確認された方」、「手術が困難」、「再発や局所進行により、従来の治療が適応できない」などの条件を満たした患者さんが対象。18歳以上で多発遠隔転移のないことも条件だが、全身の幅広い悪性腫瘍を対象とする方針で、上記条件に該当しない場合であっても相談に応ずるとしている。治療は保険適用外(自費診療)であり、治療費として330万円(税込み)の負担が必要となる。
 同院は救急・急性期医療に加え、集学的ながん治療(手術、薬物、放射線)も積極的に推進し、2020年には地域がん診療連携拠点病院の指定を受けた。22年に県内初の陽子線治療を開始。BNCTは、がん医療強化のため従来と異なる治療のアプローチとして導入した。

❍藤田医科大学、BNCTで 世界初の膵臓がんに挑戦
 (学)藤田学園藤田医科大学(愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1-98、☎0562-93-2000)は、1月6日、住友重機械工業㈱(東京都品川区)と深部がん治療の研究開発を目的にBNCT治療システムおよびBNCT線量計算プログラムの導入に関する契約を締結するとともに、名古屋市緑区で治療施設の新築工事に着工した。28年の臨床試験の開始を予定している。
 藤田医科大学、住友重機械工業、アトランセンファーマ㈱、ステラファーマ、㈱フジタは、24年12月に「BNCTによる深部がん治療の研究開発を推進するための覚書」を締結し、装置開発や薬剤、建屋建設など各社の強みを結集し、深部腫瘍への治療を目指した研究開発を推進している。
 藤田医科大学では、生存率の低い膵臓がんに対する世界初のBNCT実施を目指しており、住友重機械では、自社のBNCTシステムの技術的知見を活かしつつ、一部仕様を改良し、加速器の出力電流を増すことでより高出力の中性子線を発生させ、体内での中性子線の到達距離を伸ばし、より深い位置の腫瘍を照射する。
 BNCT治療施設は、RC造り地下1階地上3階建て延べ3456㎡(敷地5万602.27㎡、建築面積1083.11㎡)の規模で建設を進めており、27年12月中の竣工予定である。建設場所は、名古屋市緑区鳴海町字大清水69-159で、設計はフジタ一級建築士事務所、施工はフジタ名古屋支店が担当している。

【病院計画ニュース】
〇青森県、統合新病院は27年4月に実施設計・施工一括で公示
 青森県(青森市長嶋1-1-1、☎017-753-0238=総合政策部統合新病院開設準備室)は、2月20日、統合新病院の発注方針を実施設計・施工一括(DB方式)とし、2027年4月に発注(公示)する予定であると公表した。
 また、病院棟、職員用立体駐車場、来院者用立体駐車場、緊急医療施設、院内保育所、外構、既存施 設解体の各工区については、乙型JVによる分担施工方式とする予定であるとした。
 このほか、予定価格の設定にあたっては、最新の実勢価格を適切に反映し、昨今の物価上昇を踏まえ、物価変動に伴う変更契約を適切に行うとした。
 25年3月に策定した基本計画では、統合新病院は、地上9階程度約7万2600㎡の病院棟と地上2階程度約1000㎡の緊急医療施設を整備し、両棟を渡り廊下で接続する。ほかに、院内保育所(平屋建て程度約600㎡)、来院者用⽴体駐⾞場(地上4階程度約1万5600㎡、約700台、病院棟と渡り廊下で接続)、職員用⽴体駐⾞場(地上6階程度約2万3400㎡、約950台)、ヘリポート・格納庫(職員用⽴体駐⾞場の屋上部に設置、病院棟と渡り廊下で接続)を整備するとしている。整備予定地は、青森市大字浜田字豊田ほかの浜田中央公園・県営スケート場周辺。基本設計は佐藤総合計画・八洲建築設計事務所JV、コンストラクション・マネジメント業務はプラスPMが担当している。
 スケジュールは、27年度末に実施設計を完了し、28年度から工事を開始し、4年余りの工事期間を経て32年10月に移転開院する。概算事業費は、本体⼯事費648〜729億円(延べ床面積約7万3,600㎡ )、設計・監理費18億円、医療機器等購入費120億円(医療機器、情報システム、什器備品)、附帯施設事費59億円(⽴体駐⾞場、院内保育所、ヘリポート)、その他40億円(外構⼯事費、移転費、調査対策費等)、合計885〜966億円を見込む。

〇岩手県、26年度から釜石病院建替え基本設計、29年度着工
 岩手県(盛岡市内丸11-1、☎019-629-6310=医療局経営管理課)は、釜石病院の建替えについて、2026~27年度に基本設計を行う。設計費は2年度で9400万円の債務負担を設定する。
 新病院は、急性期病棟120床、回復期リハビリテーション病棟60床の計180床の病床を計画し、2次救急医療機関として交通外傷などへの対応や救急患者の初期治療を実施する。外来診療は現在の診療科を基本とし、入院医療は、内科、循環器内科、消化器内科、外科、整形外科、リハビリ科、総合診療科を提供する。リハビリ機能を充実させ、透析療法を継続する。
 概算事業費は、146.0億円とし、内訳は基本・実施設計及び工事監理4.0億円、建設122.4億円(延べ床面積×公立病院実勢価格)、外構・解体等19.6億円。
 スケジュールは、27年度にかけて基本設計を行い、27年度に大規模事業評価を行ったうえ、29年度から31年度にかけて建設工事を進め、32年度の開院を予定している。
 なお、先行して、28年度から既存施設を活用した回復期リハ病棟の運用を開始する。同病院の回復期リハ病棟は、沿岸圏域での回復期機能の強化に向け、リハビリテーションセンターサテライト施設としての機能を担う。
 このほか、県立病院の整備については、中部病院で3月から27年9月にかけてサイバーナイフ棟を建設し、27年10月~28年1月に機器を整備、同年2月に稼働を開始する。投資額は26年度5億1000万円、27年度までの総額10億7000万円を見込む。
 26年度予算案では、医療器械購入費として37億800万円を計上し、中央病院では、9月から11月にかけてリニアック装置を更新、大船渡病院では、9月から11月にかけてMRIを更新するほか、磐井病院では、HCU設置に伴う生体情報管理システム等を導入する。

〇山形県、西村山新病院の開院支援業務の公募型プロポを開始
 山形県(山形市松波2-8-1、☎ 023-630-2331=医療政策課西村山医療体制企画担当)は、西村山地域新病院開院支援業務の公募型プロポーザル手続きを開始した。参加質問書の提出期限は3月6日、申込書などの提出期限は3月9日、企画提案書、見積書の提出期限は3月13日で、企画審査会を経て3月18日に審査結果を通知し、4月上旬に契約締結となる。提案上限額は1億7600万円(税込み)で、委託期間は契約日~32年3月31日。
 西村山地域では、山形県立河北病院と寒河江市立病院の統合・再編して、31年中の新病院開院を目指して整備作業を進めており、業務は、新病院整備に係る全体の工程管理など運営・開院準備支援業務、医療情報システム整備支援業務、医療機器・什器・備品等整備支援業務、業務委託(施設設備維持管理、清掃、警備、医事、医療機器保守、シ ステム保守、検査、患者給食、物流搬送等)並びに利便施設の運営整備支援業務、移転支援業務などで構成する。
 新病院の建設スケジュールは、26~28年度に基本設計・実施設計(一括発注)、28年度に建設工事発注、31年度に開院準備と開院となる。
 1月に策定した新病院の基本計画(案)では、診療16科目、病床140床、建物延べ床面積1万2600㎡、総事業費157億円と見込んでいる。

〇新小山市民病院、来春オープンへ別館建設中、手術室内装工事を公告
 (地独)新小山市民病院(栃木県小山市大字神鳥谷2251-1、☎0285-36-0286=事務部経理課用度係)は、同病院別館(仮称)新設手術室内装工事(3室)の一般競争入札を公告した。質問の受付期限は3月23日で、3月26日に入札となる。
 工事は、現在建設中の別館(仮称)2階に手術室3室を整備するもので、工事面積は約178㎡、手術室の面積は手術室1が約43㎡、手術室2が約74㎡、手術室3が約61㎡となり、手術室1は局所麻酔対応の日帰り手術用、手術室2は全身麻酔対応でダビンチを導入、手術室3は全身麻酔対応で将来的にハイブリッド手術室に転換可能な設えとする。3室ともBCRはクラス1万。 工期は、8月1日から27年1月31日まで。

別館完成予想図
 別館は、S造り2階建て延べ2214.58㎡(建築面積1163.78㎡)の規模で、2月18日に起工式を行った。工期は27年1月31日としており、27年4月に開院する目標である。建設地は救急外来東側の第2駐車場内。
 別館は、1階にニーズが高いため新設することにした歯科口腔外科(4ブース、X線撮影室など)を配置するほか、移設する皮膚科、整形外科の外来診察室、2台目を導入するMRI室1室、多目的室などを整備する。多目的室は会議やセミナーなどに活用するほか、災害時のトリアージスペースとしての活用を想定して医療ガスの整備を検討している。また、新興感染症の発生時には発熱外来用に2ブースの設置も検討してい る。
 2階は、本館の手術室と直結する形で手術室3室や一部滅菌洗浄施設を導入する。また、救急ワークステーションや倉庫、スタッフルームを確保する。総事業費は計約31億円とし、このうち建設工事関係が17億円ほど。
 同病院は、13年に地方独立行政法人に経営形態を変更し、16年に現在地に新築移転しているが、この間に、出術件数は2.7倍の3282件、救急搬送は1.8倍、医師数は2.2倍に増加し、施設が狭隘化し、また、医療機能を強化するため、別館の建設を決めた。板橋・フケタ設計建設共同企業体が設計施工を担当している。

〇湘南大磯病院、建替え事業を延期する見通し
 (医)徳洲会湘南大磯病院(神奈川県中郡大磯町月京21-1)は、建替え計画について、計画を延期する見通しである。
 同病院では、2025年7月に病院敷地内で新病院の建設を発表したが、その後、当時よりさらに建設費の高騰など状況が悪化したため、事業推進を一旦休止し、動向を見定めており、着工、開院の時期などのスケジュールは全くの未定であるもようである。
 25年7月時点の計画では、新病院は8階建て延べ2万5000㎡の規模を想定し、総事業費195億円を見込み、26年6月頃の着工、28年8月頃の開院、その後、既存病棟を解体し、29年夏に一連の整備を完了するとしていた。同病院は、病床312床(うちHCU8床、稼働病床178床)で、建物はS・RC造り地下1階地上6階建て延べ1万9572.88㎡(敷地2万2931.12㎡)の規模。

〇川崎学園、附属病院全面建て替えに秋着工、32年12月完成
 2025年2月、創業100周年事業を発表した(学)川崎学園(岡山県倉敷市松島577、☎086-462-1111(内)16113=大学事務局企画部企画室)では、今年秋から川崎医科大学附属病院全面建て替え(新本館棟プロジェクト)をスタートする。
 新本館棟プロジェクトは、1973年に完成した附属病院本館棟の施設・設備の老朽化、狭隘化が進んでいることから、施設・設備の刷新と、最先端の高度医療導入のため、S&Bによる全面建て替えを行うもので、まず、現在の本館棟の北側に外来棟(1期棟)を新築し、その後、本館棟を解体したうえで、中央診療部門や病棟が入る2期棟、3期棟を建築する。新本館棟は、SRC・S造り地下1階地上14階建て延べ約8万6000㎡の規模となり、8年後の34年12月に竣工する予定である。

外観イメージ
 新本館棟全面建て替えに並行して、既存の北館棟・西館棟を改修整備し、高度救命救急センター集中治療室 (ICU)などの急性期機能の充実を図る北館棟・西館棟改修プロジェクトを進める。さらに、受水槽を移転新設するなどエネルギーセンターを一新し、災害拠点病院として災害時にしっかりと患者を受け入れる体制づくりを強化する。
 100周年事業は主に、新本館棟プロジェクト、新研究棟プロジェクト、北館棟・西館棟改修プロジェクトで構成しており、新研究棟プロジェクトは、川崎医科大学の新研究棟を整備するもので、SRC・S造り6階建て延べ約8500㎡の規模となり、大学の東側で先行して27年9月の竣工予定である。
 川崎学園創設者で初代理事長の川﨑祐宣医師が1938(昭和13)年、岡山市に「外科昭和医院」を開業し、創業100周年となる2038年にすべての整備工事を終え100周年プロジェクトを完了する。
 附属病院は、1973年に許可病床1052床で開院し、79年に救命救急センター(56床)開設、許可病床1154床となり、94年に高度救命救急センターの認可を受けた。2001年にドクターヘリの運航を開始し、02年に西館棟が竣工、09年に北館棟が竣工、10年に本館棟・救命棟の改修が完了、20年にがんゲノム医療センター開設、23年に開院50周年を迎えた。25年に病床適正化支援事業により許可病床数1138床(一般1110床、精神28床)となった。24年度の1日あたりの患者数は入院が562人、外来が1517人。川崎学園の敷地面積は70万㎡、現病院の延べ床面積は約8万㎡である。
 なお、100周年プロジェクトで改修される北館棟には、関連の(学)九曜学園川崎リハビリテーション学院の校舎が設置されており、北館棟改修に備えて移転する。新校舎は川崎医療短期大学(倉敷市松島316、倉敷キャンパス)敷地内「このはな寮」北側。S造り2階建て延べ約2300㎡の規模で、26年10月に竣工する。

〇広島県、高度医療・人材育成拠点施工予定者プロポを公告
 (地独)広島県立病院機構本部(広島市基町10-52、☎082-962-2218=総務課)は、高度医療・人材育成拠点整備工事施工予定者選定に係る公募型プロポーザル実施を公告した。設計段階から施工者が関与するECI方式により同拠点整備を進める。工事費上限額の目安を869億円(税込み)としている。参加表明書等の提出期限および実施要項の配布期限は7月1日、提案前対話申込書の提出期限は7月10日で、8月まで4回にわたり基本設計図等の配付及び質疑の受け付けと各回答を行い、9月17日まで概算工事費見積書(VE/CD 提案採用前)及びVE/CD提案書、技術提案書の提出を受け付け、10月6日に提案後対話を行い、さらに、10月23日まで概算工事費見積書(VE/CD 提案採用後)を受け付けたのち、プレゼンテーションを行う。実施設計技術協力業務の見積上限額は500万円(税込み)。
 同事業の実施体制は、事業総括が県健康福祉局医療機能強化推進課、事業への技術支援が県土木建築局営繕課、CMが山下PMC・山下設計・大旗連合建築設計共同企業体、設計が日建・村田相互設計共同企業体となっている。このほか、医療コンサルタントはシップヘルスケアリサーチ&コンサルティングと有限責任監査法人トーマツ。
 主要用途は病院859床(将来対応1000床)、工事種別は新築工事・改修工事・曳き屋工事、構造はS造(CFT・免震構造)地上11階(建基法12階)塔屋1階で、規模は新築の延べ床面積が約6万5000㎡(建築面積約1万㎡)となり、別に、立体駐車場約9500㎡、付属棟新築等、既存棟改修を行う。想定工期は建設工事40か月、工事場所は東区二葉の里3-1-1の敷地約2万6000㎡。
 25年10月に一部改訂した基本計画では、新病院は1000床規模(開院時は860床程度)とする。内訳は、一般病床が813床~954床で、このうち重症系病床が99~117床(E-ICU12床、SCU6床、E-HCU・CCU16床、S-ICU8床、PICU6床、HCU12床、MFICU6床、NICU15床、GCU18床)、緩和ケア病床が20床を占める。ほかに精神(児童・思春期病床を含む)38床、感染症病床8床とし、総病床数を859~1000床と想定している。

建築イメージ図
 新病院棟約6万6000㎡のほか、既存棟(県立二葉の里病院)約2万3000㎡、立体駐車場約9000㎡、その他施設約1000㎡(院内保育所、駐車場渡り廊下及び広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)上空通路など)を含めた延べ床面積は9万9000㎡となる。
 新病院の運営形態では、25年4月に地方独立行政法人を設立し、県立広島病院、県立二葉の里病院(旧JR広島病院)及び県立安芸津病院の運営主体を統合し一体的に運営する。30年度の新病院開院時には、県立広島病院と県立二葉の里病院(旧JR広島病院)・中電病院・HIPRACを新病院へ統合するとともに、その他の再編対象病院の機能を新病院へ集約する。
 事業費は、土地購入費用約182億円、JR広島病院資産譲渡約58億円、基本設計・実施設計約20億円、建築工事等約840~970億円(新病院等整備費・既存病院棟改修費・駐車場整備費等)、医療機器・システム約200億円(既存医療機器を活用しつつ高度医療提供に必要な機器・システムを導入)、県立広島病院建物解体費約30億円、合計約1330~1460億円を見込む。
 整備スケジュールは、23年度末から27年度半ばまで基本設計・実施設計、27年度に着工準備と契約手続き、27年度末から新病院建築工事を進め、12年度半ば過ぎに新病院が開院し、その後、既存病棟を改修し、31年度末に完了する。

〇福岡市、新病院基本構想策定支援業務の提案競技開始
 福岡市(中央区天神1-8-1、☎092-711-4271=総務企画部病院事業課)は、新病院基本構想策定支援業務委託の提案競技を開始した。質問の受付期限は2月26日、参加申込期限は3月6日、提案書の提出期限は3月19日で、3月26日に提案競技を行い、3月30日に事業者を決定し、4月1日に契約締結となる。
 業務は、外部・内部環境調査、基本方針および医療機能の検討支援、施設整備の検討支援(従来方式やPPP/PFI手法等の想定される複数の事業手法ごとにメリット・デメリット等を整理するとともに、実現性の高い事業スキームとなるよう、民間事業者から幅広くアイデア・意見等の情報収集を行う市場調査(サウンディング型市場調査等)を行うこと、整備スケジュール作成など)、収支計画の作成、会議の支援などで構成する。
 25年11月14日に病院事業運営審議会が市長に対し行った、福岡市民病院の在り方についての答申では、新病院は、高度救急医療、災害拠点病院と同等機能やスペースの確保、がん治療の強化や脳血管疾患患者への対応、救急・災害医療における循環器疾患対応の強化などの取り組みが必要といったことが盛り込まれ、また、現状の204床という規模では経営効率が悪く、また、高度な医療機能に取り組むためには、300〜350床程度の病床規模が望ましく、さらに、増床に向けては、国家公務員共済組合連合会千早病院と再編等に向けた協議を進めることが望ましいとした。
 整備場所については、多角的・総合的に評価した結果、箱崎中学校、福岡中学校が適しているとした。その後、25年12月18日の福岡市議会の25年度第5回定例会常任委員会で、場所について第一整備候補地を福岡中学校の移転後跡地(東区馬出3、約2ha)とすることが明らかになった。
 規模の目安として、1床当たり100㎡と想定すると最大の延べ床面積は3万5000㎡を見込み、必要な敷地面積は1万8000㎡以上とした。
 福岡市民病院(博多区吉塚本町13-1)は、204床で20診療科、千早病院(東区千早2-30-1)は、175床で12診療科。

【ダイジェストニュース】
〇岩手県、新築設計委託に続き中山の園改修設計委託へ
 岩手県(盛岡市内丸10-1、☎019-629-5956=建築住宅課施設整備担当)は、中山の園(一戸病院内)改修工事設計業務の一般競争入札を行い、㈱大畑建築設計が719万円(税込み)で落札した。障害者福祉施設である中山の園再整備事業の1つとして、一戸病院(RC造り5階建て延べ2万0724㎡)の2~3階の一部1497㎡を改修し、児童福祉施設などの用途に活用する。履行期間は210日。を見込み、27年度の着工、28年度の供用開始を目指している。
 なお、中山の園再整備事業においては、ほかに、新居住棟の整備などを予定しており、設計は㈱伊藤喜三郎建築研究所・㈱三衡設計舎JVが担当している。25年12月に簡易プロポーザルにより選定された。履行期間 契約締結の日の翌日から令和9年3月 15 日まで。
 その設計の対象となるのは、二戸郡一戸町中山字軽井沢139-1で計画する、新居住棟C(想定延べ床面積2128.49㎡、定員40人)、同D(2069.09㎡、40人)、活動棟(延べ床面積1008.36㎡)、サービス棟(同670.78㎡)、計5876.72㎡及び、滝沢市穴口203-4で計画する新居住棟F(延べ床面積2431.12㎡、定員40人)で、予定工事費は約57億円(税込み)を見込み、25~26年度基本設計・実施設計、27~29年度に建設を進める。

〇鶴岡市立荘内病院、経営改善支援業務を委託、27年3月31日完了
 鶴岡市立荘内病院(山形県鶴岡市泉町4-20、☎0235-26-5111(内)6333=総務課経営企画係)は、経営改善支援業務委託の公募型プロポーザルを実施し、受注候補者として健康保険医療情報総合研究所を選定した。業務は、同病院における増収策及び費用削減策の検討・実行支援などにより収支改善の実現を図ることを目的とし、委託期間は契約締結の日から27年3月31日まで。
 同病院は、建物延べ床面積4万106.66㎡(敷地3万1842.41㎡)の規模で、診療28科目、病床521床(一般511床、人間ドック10床)。

〇敬愛会、特養ホーム流山みやび新築は大城組
 (福)敬愛会(埼玉県加須市新川通179-1、☎0480-53-5757)は、(仮称)特別養護老人ホーム流山みやびの郷新築工事の入札を行い、㈱大城組が18億4500万円(税別)で落札した。
 施設は、S造り3階建て延べ4575㎡(敷地4550㎡、建築面積1890㎡)の規模となり、定員100床、短期入所施設10床を確保する。特養100床、老人短期入所事業10床を設ける。建工期は27年3月31日までで、建設地は流山市名都借953-3ほか。設計は、㈱奥野設計の担当。

〇朝霞市、看護小規模多機能1事業所の募集開始
 朝霞市(埼玉県朝霞市本町1-1-1、☎048-463-1719介護保険係(保険))は、市内全域を対象に看護小規模多機能型居宅介護1事業所の募集を開始した。質疑受付期限は3月9日、提出書類の受付期限は3月23日で、4月上旬に選考結果を通知する。27年4月1日までのサービス開始が条件である。

〇成田赤十字病院、医療情報システム更新のリース事業を公告
 成田赤十字病院(千葉県成田市飯田町90-1、☎0476-22-2311、事務部管財課)は、医療情報システム更新のリース業者選定の一般競争入札を公告した。説明書の配付期限および参加資格認定通知の写しの提出期限は2月26日で、3月2日に入開札となる。契約条件は、ファイナンスリース契約(所有権移転特約付)で、リース期間は5月1日~32年4月30日(6か年)。

〇三島市、グループホームと看護小多機の法人選定
 三島市(静岡県三島市北田町4-47、☎055-983-2607=介護保険課介護保険係)は、次の地域密着型サービスの2法人を選定した。2つのサービスにそれぞれ3事業者が応募した。▽㈱在宅支援センターふれあい(法人所在地:沼津市大岡1002-2、サービス種別:認知症高齢者グループホーム(定員18人))▽(福)静和会(静岡市駿河区丸子3000-1、看護小規模多機能型居宅介護(登録定員29人以下))

〇京都府立医大、総合医療情報システム更新の調達・保守を公告
 京都府公立大学法人京都府立医科大学(京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465、☎075- 251-5254=企画課DX推進係)は、府立医科大学附属病院総合医療情報システム更新に伴うハードウェア(端末・周辺機器など)調達・保守業務の一般競争入札(特定調達)を公告した。質問の受付期限および申請書の提出期限は3月16日、入札書の提出期限は4月2日で、同日に開札する。業務の委託期間は契約締結日~33年12月31日。

〇兵庫県、26年度から北はりま特別支援分校の改修設計
 兵庫県教育委員会(神戸市東灘区田中町5-3-23、☎ 078-362-9372=特別支援教育課整備班)は、北はりま特別支援学校の分校を新設するため、26年度予算に基本・実施設計委託費6222万6000円を計上した。総事業費9億9600万2000円を見込む。このうち、校舎の改修工事費は9億3084万3000円を見込む。
 北はりま特別支援学校の児童生徒数が増加しており、分校を新設することにした。分校は、24年度末に閉校した旧加東市立三草小学校(加東市上三草118、敷地面積2万7335㎡、延べ床面積2908㎡)の無償譲渡を受けて、改修し、約40人の定員を確保する。26年度から設計を開始し、27年度半ばまでに完了し、その後、改修工事、移転作業を行い、29年度から分校を開校する予定である。

〇長崎市、地域密着型特養ホーム1施設を募集中
 長崎市(長崎市魚の町4-1、☎ 095-829-1161=福祉総務課企画推進係)は、市内全域を対象に地域密着型特養ホーム1施設(定員29人)の募集を開始した。応募期限は7月31日。10月の審査会・現地調査及びヒアリングで事業者を選定し、11月の補助金交付決定を受けて、26年度内に入札・契約・着工となる。施設開設時期は、原則として29年5月1日~28年3月31日としている。

〇沖縄県、広域型特養ホーム計200床の整備法人募集へ
 沖縄県(那覇市泉崎1-2-2、☎098-866-2214=高齢者介護課)は、広域型特養ホーム計200床の26年度整備法人の募集スケジュールを公表した。事前協議機関は3月9日~5月15日、応募書類の受付期間は6月15~30日で、審査委員会を経て、9月に整備法人を決定する。整備地域と整備床数は那覇市内、浦添市内のいずれかで100床、石垣市内で100床とし、整備形態は原則ユニット型個室。
 なお、介護専用型特定施設入居者生活介護の指定候補事業者公募には、応募がなかった。公募したのは3地域で、▽整備地域・那覇市内(整備年度・25年度、定員数・47人)▽沖縄市内(26年度、30人)▽うるま市内(25年度、40人