【業界トレンド】●京大と京都市、企業版ふるさと納税で免疫療法等研究開発支援

 京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター(CCII)(☎075-753-5855=基金室)と京都市(☎075-222-3324=産業観光局スタートアップ・産学連携推進室)は、8月17日から企業版ふるさと納税を活用した「がん克服」の実現に向けた研究開発支援事業を開始したと発表した。目標金額は2000万円とし、寄付受付期間は、初年のみ8月17日~12月31日で、2年目以降は毎年1月1日~12月31日。

 がん免疫療法は、手術・放射線治療・抗がん剤治療に続く「がん治療の第四の柱」と して世界的に注目されている。その礎となったのが、2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑特別教授による京都大学発の研究。 がん免疫療法は、これまで治療が困難であった多くのがん患者に新たな希望をもたらしてきたが、一方で、依然として半数以上の患者には十分な治療効果が得られておらず、「がん克服」の実現にはさらなる研究の進展が求められている。京都大学CCIIでは、この課題の克服に向け、次世代がん免疫治療の研究開発を推進している。
 がん免疫研究は今なお発展を続けており、「がん克服」という人類共通の課題の解決に貢献するためには、長期的かつ安定的な研究開発支援が不可欠である。こうした背景を踏まえ、京都市と京都大学は連携し、企業版ふるさと納税制度を活用した新たな研究開発支援の仕組みを構築した。事業を通じて寄せられた企業からの寄付は、2分の1を京都大学CCIIに寄附し、残りの2分の1を京都市の「京都発革新的医療技術研究開発助成事業」等の原資として市内の大学研究者やスタートアップ等の医療研究開発への支援に活用する。これにより、京都から生まれた研究成果の更なる発展を支えるとともに、がん免疫研究分野において京都が世界をリードする研究・イノベーションの拠点となることを目指す。
 なお、京都発革新的医療研究技術開発助成事業は、ライフサイエンス分野における新技術・新産業の創出を図ることを目的に、京都市及び(公財)京都高度技術研究所が、市内の大学研究者及びスタートアップなどの中小企業者を対象に、革新的な医療技術に関する研究開発に助成を行うもので、11年度から今年度まで16年目を迎え、これまで981件の応募があり、うち292件を採択した。